「バッカーノ!」スタッフによる制作日誌です。
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はじめまして。監督の大森です。

Baccano!のアニメ化に際して、どうしてもロケハンが必要!と、押し切ったのは私です。単にN.Y.に行った事がなかったから……と言う噂がありますが、そんなことはないです(多分)。是非、見ておきたかったのです。フィーロやマイザーが生きた都市を……アイザックやミリアがバカやった土地を。なんてな。実は巡礼が目的だったと言う噂も……AppleStore 5th Ave.の→

真面目な話をすれば、アニメ制作にロケハンは欠かせません。集団作業であるが故、共通言語を持つには同じ景色、同じ空気、同じ釜の飯を食うのが手っ取り早いのです。N.Y.に釜はないですがね。

ともあれ、怖い話と言う事ですが……いや、真面目にこのロケハンは怖い話の連続でしたよ、ぶるぶる。

そもそも出発前から呪われていました。当時進行中だった某作品の、監督の仕事が一番少なそうな時期にセッティングしたにも関わらず、次から次へトラブルが……。おまけに出発日は結構な土砂降り。そしてなんと言ってもN.Y.行きの某C航空の機内食が……! 何の因果で小学校の掃除の濡れ雑巾を食わされなきゃならんのかと……。

さらに前日までのハードワークで妙な時間帯に寝起きする習慣が付いていた私は、機内ではさっぱり寝つけず、朦朧とした頭でニューアーク空港に到着したのが現地時間で午後4時くらい。空港からホテルまでのタクシーの中でうつらうつら……。途中途中で目が覚める度、周りの景色が最前と変わらず、どうもあんまり進んでないような気がする。「ああ、これが時差ぼけっちうもんか。結構しっかり寝た気がしたけど、少ししか時間が経ってないんだなぁ……」なんてぼんやり思ってました。なんかハイチからの出稼ぎの運ちゃんが横山Pとぺらぺらず〜〜っとしゃべってるし、二人共なんか和気あいあいなムードだし。が、いざホテルに着くと、すっかり夜。聞けば通常1時間半くらいで着く所を3時間近く彷徨っていたのだとか。そりゃ古いホテルだけど、そんな辺鄙な場所じゃないメインストリートは7th Ave.沿いのホテルなのに……。大丈夫か?運ちゃん、ちゃんと仕送り出来るのか? などとそっちの方が心配になったりして。

漸くホテルに着いた我々。しかし予約がうまく取れておらず、しばし部屋の準備で待たされる事に。Wellington Hotelはどのくらいか分からないけれど、かなり歴史を感じる建物で、あちこちガタが来てる様子。30分ほど待たされ、漸く部屋で一息つく。しばらくぼーっとテレビを見たりしてくつろいでいた所、シャワールームから「ギャーーーッ」と阿鼻叫喚の叫び声。「ひぃ、何か出た?何か出た?」、シャワーから上がってきた伊藤さんに恐る恐る聞いてみると、頑なに口を閉ざしたまま、「入れば分かります」と一言……。我々の男部屋はなぜか先述の予約の齟齬からなのか、シャワールームが二つ付いていた為、私自身はシャワーを頂いた後であり、理由を知るのは翌日となりました。

それから夜の街を散策。お上りさん状態で写真を撮りまくり。長身の私は普段あまり上を見上げる事がないのですが、この日は首が痛くなる程上を見ました。

と、今回はここまでにしておきます。シャワールームの謎はまたいずれ……もしかしたら伊藤さんが書いてくれるかも。次回は脚本の高木登さんの登場です。実質、高木さんと横山Pと私は一年以上前からのこの企画に取り組んできました。きっとあれやこれや、積もった怨み言がある筈。某作品でも、散々視聴者をどん底の気分に貶めた、真っ黒なその内心を明かしてくれるものと思います。では、さよならさよならさよなら。

大森貴弘