「バッカーノ!」スタッフによる制作日誌です。
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いきなりの登場で申し訳ございません。
成田良悟担当をしておりますメディアワークスの和田です。

『バッカーノ!』アニメ化のお話を始めまして、早いもので二年弱。ようやく制作発表が出来るところまでこぎつけまして、喜びいっぱいです。アニメを楽しみに待っている方に少しでも早く新着情報をお届けするべく、今後も頑張っていこうと思っています。

つい先日、大森監督と原作者の対談が実現しました。お互いにこだわる部分などあるかな~と思いますので、思いの丈をぶつけてもらったのですが……。お二人とも大人ということで、お互いに殴り合ってその後で肩を組んで笑いあったり誰かを奪い合ったりするでももちろんなく、終始和やかなムードでした。まあ、そんなことが起こるわけがないのですが。
また、会社の近くで写真撮影を行ったのですが、公園では騒いでいる子供達の合間を縫って撮影したり、カメラマンが坂の途中に寝転がって車の通過待ちをしつつお二人にポーズを取ってもらったりと、なかなかハードな感じでした。
激動の対談と命がけの撮影の模様は、4月10日発売の「電撃hp」にてということで。決して宣伝ではありません(笑)。

さてさて、NYのロケハンは非常に羨ましかったです。子供の頃に「アメリカ横断ウルトラクイズ」を見て以来、「NYには夢と希望が溢れているんだろうな~」とずっと思っておりまして、まだ踏んだことのないその地に憧れを抱いてました。今回のロケハンではどんなドラマがあったのかとうらやんでましたが、実際はかなりの強行軍だったというお話を伺い、ミーハー気分を反省させられました(笑)。
本当にお疲れさまでした。気合いの入った設定画を拝見しまして、さらに納得です!

う~ん、なんか文章が堅いですね……。

メディアワークス 和田



大森監督から『バッカーノ!』の御依頼を受けたのは2005年の8月です。わたしの仕事はホラーが多いのですが、そのころのわたしはいささかそれにうんざりしていました。わたしが本来やりたいのはキングやクーンツやマキャモンのような、ジャンルを越境する、物語性豊かなモダンホラーであって、存分に物語を展開すると即座に「怖くない」「ホラーではない」と否定されてしまう「Jホラー」ではなかったからです。

いわゆるJホラーは「心霊実話テイスト」と呼ばれる一連の作品群からはじまっており、これが醸造する恐怖の質と「物語」との相性がきわめて悪い。こうすれば話が面白くなるのに「怖くなくなる」という理由であえて退屈な方向性へのシフトがおこなわれたりすることがままあり、「怖い」「怖くない」ではなく「面白い」「面白くない」の論理で作品をつくりたいというフラストレーションが限界までたまっていたのです(だから『地獄少女』の仕事は大いに堪能させてもらいました。「どす黒い内心」(笑)を発露させてなおスタッフによろこばれ、かつ視聴者にも受け入れられたのははじめての経験でした)。そこへいただいたのが『バッカーノ!』のお話で、ジャンルミクスチャー的な原作の在り方も気に入り、「これで波瀾万丈の活劇ができる」と喜び勇んで飛びついたというわけです。

以来一年半強作品に携わってきましたが、苦労したのは構成です。原作そのままの映像化は不可能、原作を原案程度にとどめ一本の筋の通ったストーリーにするのは「キャラクターが変わってしまう」とのことでNG、ならどうするのだと試行錯誤した結果がアニメ版『バッカーノ!』です。どのような構成になっているのかはまだ申し上げられませんが、ひとつだけ言えるのは決してわかりやすいものではないということ。平易明快が尊ばれる当世では賛否両論でしょう。けれどフィーロはフィーロ、アイザックはアイザック、ミリアはミリアで、クレアはクレアです。根が枝葉になり幹が末節になる原作の醍醐味を失わせぬがゆえのこの構成と御理解いただければ幸いです。

いまはとにかく第一話の完成を鶴首して待っています。わたしが何の気なしに登場させたオリジナルキャラを成田さんが原作に「逆登場」させるなど、はやくもアニメと原作のコラボレートがはじまっているようです。ライターの仕事は脚本を書き終えてしまえば終わりですが、『バッカーノ!』の世界は増殖していきます。終わりのない馬鹿騒ぎに、ひとりでも多くの方に御参加いただけることを願います。

高木 登